2009年12月29日火曜日

紙、キャンバスの活かし方、楽しみ方



新年あけましておめでとうございます。
絵画コース、抽象画コースの講師の北川です。冬のお休み、皆様いかがお過ごしでしょうか。旧年中は絵画教室の会員の皆様には大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

さて、新年の1月31日に画材の基礎知識vol.2「紙、キャンバスの活かし方、楽しみ方」と題してスポット講座をやることになりました。充実した講座にするために、現在準備を進めているところです。前回は絵具についてのお話をさせて頂き、最後に、紙にいろいろな下地と描画材と表現方法で私が作ってきた見本を見て頂いた訳ですが、今回はその続編として、絵の支えとなる「基底材」「下地」「描画材」との関係についてのお話にする予定です。

基底材とか下地とか言いますと難しい内容に感じるかもしれませんが、要は、絵の下準備の部分でこんな工夫をすると絵はもっと楽しくなりますし、表現の幅が広がります、という内容です。また前回と同様にサンプルを作って持っていく予定ですが、木板や麻布、紙等に様々な下地を施したものをお見せします。その具体的な作制方法などもお話しする予定でいます。それから、持っていると便利なメディウム類下地材などのご紹介。

また、お土産として今回用意しているものは、2つあります。ひとつは小さな紙のサンプルセットです。水彩紙は厚みから表面の凹凸、絵具の吸い込みなど、紙によってかなり違います。自分にあった紙を見つける為にたくさんの紙を片っ端から試せれば良いのですが、現実的にはそれもなかなか難しいでしょう。そこで、画材屋で手に入りやすい水彩紙を7種類セレクトし、試して頂けるようにセットにしました。もうひとつは、時間内に皆さんでパステルを作り、それを持って帰って頂こうと思っています。(上の写真は私が試しに作ったパステルです。講座までにはもう少しかっこいいものを作れるように研究中です)

絵具やパステルなどの描画材、下地等は、一度しっかりした知識を身につけて、実際にご自分で作ってみれば、コツが掴めます。面白くてはまってしまう人もでてくるのではないでしょうか。教室に通われているかなり多くの方が、この楽しみを知らずにというか、ほとんど気にかけずに絵を描かれているのではないかと思います。もちろん画材屋で、張りキャンバスを買って描けば油絵やアクリル画は描けますし、わざわざ自分で手間をかける必要は無いかもしれません。でも、もっとザラッとした感じの絵具のつき方が良いとか、カチッとした硬質な絵肌にしたいとかこだわるとすれば、当然自分である程度作る必要があります。「私ははじめたばかりだからそんな高度なことはとてもとても…」と考えられている方がいらっしゃるかもしれませんが、そういう方にも是非参加をお勧めします。紙やキャンバス、下地の知識は最初から必要ですし、考え方が最初に出来ているとスムーズに勉強も進みます。また、3月の下旬には絵画教室展がありますので、その作品作りに活かせるようにこの講座にどうぞ積極的にご参加下さい。

2009年12月9日水曜日

水曜デッサンクラス

今回の課題はシャツと幾何石膏の白を基調とした静物です。このように色彩が抑制されたモチーフの場合、得てして、対象が持っている光の現象を写してしまいがちになるのですが、そうすると絵の情報量は減り、物足りないデッサンになってしまいます。シャツの柔らかさと、幾何石膏の硬さの違いを描き分けることや、重さの違いなど触覚的な事柄に目を向けると、結果的に表情豊かなデッサンになっていきます。


2009年11月10日火曜日

抽象コース授業紹介

抽象コースの授業紹介です。
抽象クラスは毎回画集をお見せして、30分から1時間程度お話をしてから実技授業に入るという授業形態が定着しています。9月から、「画面への接触」をテーマに毎回一人ずつ、計7人の画集をテキストとして見てきました。その作家の表現スタイルの特徴、素材、時代背景や同時代の作家、影響を受けた作家などにも話が及びました。また、一枚の作品から見て取れる具体的な作者の画面への触れ方や素材への感受性などを読み取ってきました。以下は取り上げた作家のリストです。

第1回ウィレム・デ・クーニング
第2回ジャクソン・ポロック
第3回ジム・ダイン
第4回サイ・トォンブリー
第5回中西夏之
第6回ホルスト・ヤンセン
第7回ハワード・ホジキン

サイ・トォンブリーやホルスト・ヤンセン、ハワード・ホジキンの作品は、かなり興味を持たれた方がいらっしゃいました。描画材の画面への接触に注目すると、線が重要な意味を持つような抽象作家が多くなりました。また、それぞれの作家の作品の展開と追求という、水平方向と垂直方向の作品制作の連続性にも注目しました。
実技授業はそれぞれの方が、自分の興味のある描画材を用いてスタイルの異なる作品を制作しています。共通している部分は、皆さん実験的な姿勢で制作されていることです。手探りで、素材をこのように使ってみよう、線をこう使ったらどうなるだろうと常に自分の解らないことを試していく姿勢があることです。そしてまたそれを、不毛な勉強としてではなく、皆さん楽しみながらやられている点です。さて、今日はその中でも最もその傾向の強いTさんの作品をご紹介しましょう。Tさんはこのようなスタイルで何枚も実験を繰り返しています。画集で紹介した作家の表現で興味を持った素材の使い方や表現スタイルを、自分の絵に取り込もうとしていることが作品から窺われます。一見子供の描いた絵のように見えるかもしれませんが、それは安易に画面の中にバランスを作ってしまうことを避けるように、常に異物を持ち込みたいという意識の現れかもしれません。水彩紙にパステル、オイルパステル、クレヨン、アクリルと、複数の素材で描いています。今後の追求と展開が楽しみです。



2009年11月3日火曜日

絵画クラス授業

絵画クラスの授業を紹介します。
今回は、金曜のクラスの授業内に秋山先生にデモンストレーションとして透明水彩で静物を描いてもらいましたので、その制作過程を解説しようと思います。

まず、画面全体のバランスをよく見ながら鉛筆であたりをつけます。後々絵具がのった時に、濁ったり線が浮き出ないように軽くあたっています。秋山先生いわく、「この作業をしている時が、一番モチーフをよく観察しました。」




絵具を置き始めました。置いている絵具の形は、対象の個々の物のシルエットに、塗り絵のようにはまる形ではありませんね。色も固有色(モチーフの元々の色)を置かず、茶系から、黄、緑系までの色相の色を使っています。ここで意識されていることは、モチーフ個々の形や色ではなく、空間全体のつながり、脈絡です。また、全体の色調のまとまりです。この最初のアプローチの意識が非常に大切で、皆さんに最も注目していただきたい部分です。




さて、彩度の高い色が入ってきたことによって絵が活き活きとしてきました。形と形のぶつかりの強いところを決めだしたことにより、メリハリが出来、画面が引き締まりつつあります。背景の画集に置かれた紫と、手前の瓶に置かれた暗いブルーなど、画面を対応した関係で捉えようとしていることが解るでしょうか。




完成です。今回は、固有色から余り離れない色の絵を描いてくれと、秋山先生に事前に要望を出しておきましたので、終盤に固有色を意識した色が入ってきました。皿の中のりんごとレモンは質感にも迫り、主役としての密度が随分出てきました。周囲の物の表現は、主役の見え方が映えるように考えられ、同じような描き込みにならないよう配慮されています。秋山先生が描いているのをご覧になった方は気がつかれたかもしれませんが、先生がモチーフのほうに目を向けている時間は絵具を置き始めてからかなり少なくなっていました。自分の画面を見ている時間がほとんどで、たまに何かを確認するようにモチーフを見る程度でした。見える物を写すことが目的ではなく、モチーフを利用して自分の画面の中に作ろうとしている関係が重要だからですね。
秋山先生お疲れさまでした。




今月のモチーフから2人の生徒さんの作品を紹介させていただきます。

まずOさんの油彩作品です。Oさんは元々持っているバランスが非常によく、この作品がなんと2枚目の油彩です。描き出しや途中の段階で、もの同士の関係が希薄でバラバラに見えていたり、色の深みがなかなか出ませんでしたが、後半、捉え方が徐々によくなり、色も複雑になってきました。次回はもう少し最初のベースの段階で自由に絵具が置けると良いですね。





次はHさんの作品です。今回、Hさんは1つのモチーフから、要素を自由に抜き出したり、拡大して構成した作品と、もう少し客観的な視点で捉え、描写(ご本人はそれを大の苦手とおっしゃっていましたが)した作品を描きました。どちらも色の振動が非常に美しく、最初から最後まで丁寧に画面に接して透明水彩の美しさを活かした表現になりました。

2009年10月31日土曜日

土曜 デッサンクラス




土曜日の午前、デッサンクラスです。
別館での授業のため日頃とは違ってテーブルを並べています。

この課題は「模写」です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵をみなさん模写しています。

模写って「ただ写せば良いのでは?」「簡単そうだ」
なんて思ったりするかもしれませんが、
大変なんです、意外と。

日頃の見かたの答え合わせをするつもりで
図版からたくさんの情報を見つけ出すような感じ

言葉では簡単ですが・・・

みなさん一生懸命取り組んでいます。

でもコレ、必ず役に立ちますよ。

土曜 水彩画クラス





今回は絵の具研究、そして実験のようなことをしています。
実験、研究というとなんだか堅苦しいですが、
「楽しく絵を描くためにはいろんな遊び方を知りましょう」
といった感じです。

水彩画というと
画用紙や水彩紙にきちんと鉛筆で下書きをして、
その上に薄く絵の具を重ねて描いていくというようなイメージがあると思います。
でも、そんなことはあまり気にせず
紙の上で自分の作った出来事がキレイとか、面白いとか
そういう風に思うことを目的にしてみようという課題です。

紙や技法にこだわらず、いろいろやってみました。
みなさんの気分もほぐれてそれぞれ面白いものが出来ましたね。

2009年10月28日水曜日

テーマ「秋」

火曜日のデッサンクラスでは、秋というテーマでデッサンに挑戦しました。みなさん何をどう描けばいいのか迷われたようですが、結果的には予想以上の(?) 秀作がそろいました。
目の前のあるがままの現実を描く(見たまま描く) こともある意味大切なことですが、それだけで果たして絵としての効果を十分に持つのかどうかを見極めることが、とても重要なことです。絵は、単なる現実のコピーなのではなく、それ自体、自立した世界なのですから。
今回の課題では、描き出す前に作品になったときのイメージを持って課題に入れたことが、結果的にただモチーフを写すだけではできない作品を生むことに繋がったのだと思います。
「何を描くか」だけではなく、「どう描くか」ということが大切なんですね。







2009年10月27日火曜日

日本画第一作!!

日本画クラスが始まって2ヶ月が過ぎようとしています。この2ヶ月間は、実際の制作を進行させながら、日本画の描画材である、胡粉や膠、顔料など、描画材の説明を挟みつつ授業を進行させました。一般的な水彩画や油彩画は、小学校から高校までの授業の中で、描いたり見たりした経験が少なからずあるものなので、皆さん、漠然とでも描いていくイメージはお持ちだと思います。ところが、本格的な日本画は、実際に完成した絵を見た事はあっても、描いている途中経過を目の当たりにするという機会はほとんどないと思います。ですから、初めて日本画の描画材や描くプロセスに触れると、ちょっとした新鮮さを感じます。絵の具は粉末状で、使うごとに膠で溶いていきます。日本画の顔料というのは、油彩や水彩に使われる顔料よりも粒子が粗く、筆で描いていてもその物質感が伝わってきます。この粒子の粗さが、日本画固有の絵肌を作っているのです。一件難しそうですが、授業では描画材のひとつひとつについて少しずつ知識を増やして頂きながら、そして実際に自分の手で扱って頂いて、それを理解して頂いています。


さて記念すべき日本画コース最初の課題です(Iさん作品)。今回はF4号という小さめの画面で、洋梨・カボスをモチーフとして描きました。Iさんは日本画のコースに入られる前まではデッサンコースで学んでいらっしゃいましたので、大まかな印象を捉えるという事までは、比較的早く進められるようでした。まだ日本画特有のすっきりとした絵画空間であるとはいえませんが、時間をかけてじっくりとモチーフを見続け、作品に密度をもたせることが出来ました。日本画の顔料が見せてくれるマチエールが新鮮です。次は画面を少し大きくして、百合の花に挑戦です。

2009年10月17日土曜日

水彩画クラス



水彩画クラス、スタートから1ヶ月。
結構みなさんはまってきましたね、
描いてる姿は真剣そのものです。
とはいえ
まだ新しいクラスなので、途中で画集を見たり、お話を交えながら楽しく授業を進めているといったところです。

















絵の具の使い方にも生徒さんそれぞれの持ち味が出始めています。

これからが楽しみですね。

2009年10月5日月曜日

「画材の基礎知識 vol.1」補足編

昨日、ハマ美の絵画教室“初”のスポット授業「画材の基礎知識」を行いました。
多数のご参加、ありがとうございます。
普段の授業とは打って変わっての講義形式、いかがでしたでしょうか。
第1回目という事で、今回は絵具の話を中心に講義させて頂きました。
絵具の基本色、絵の具それぞれの性格を決定づける展色材(アクリル・油)等、その絵の具が生まれた頃の表現(作品)のスライドを交え、お話をさせて頂きました。絵の具の基本色に関しては、ちょっと長々と絵の具の由来などお織り交ぜながらご紹介させて頂きました。いかがでしょうか、ご自分の絵の具箱にこの「基本色」何色ありましたか?今回実際にご紹介したのは30色ほど。お話しさせて頂いた中で、今お手持ちのセット絵具が無くなってきたら、少しずつ基本色を買っていきましょうとお伝えしました。でも、リストが30数色もあると、例えば黄色ひとつとってもどれを買うべきか迷いますね。実際に、授業中にも「何を買えば良いのか」というご質問を頂きました。ので・・・さらに絞り込んでみました!

 ○黄色→イエローオーカー、カドミウムイエロー
 
 ○青色→コバルトブルー、セルリアンブルー、ウルトラマリン(透)

 ○赤色→カドミウムレッド、クリムソンレーキ(透)

 ○褐色→ローシェンナ、バーントアンバー(透)

 ○緑色→ビリジャン(透)

 ○黒色→ピーチブラック
 
 ○白色→チタニウムホワイト

透明不透明織り交ぜ12色になりました。((透)は透明色という意味です)
これらは、単色使いはもちろんの事、混色やグレーズ(おつゆがけ)に必要な基本色ですので、この辺りをまず試されると良いですね。
そして、差し色としてここぞ!という時にきれいな色が使いたい!という場合に

 バーミリオン(朱赤)、コバルトバイオレットディープ(紫)

こちらは非常に高価な絵の具になります。元々彩度の高いきれいな色ですので、混色は避けた方が良い、というかしたくない色ですね。こちらは作品によってプラスαで良いと思います。その他の色も、いろいろ使い勝手や固有の色身など、それぞれ魅力があり、どれも捨てがたいのですが(中でも黄色のオーレオリンは慣れてきた人には一度は使って頂きたい色です)、実は色数が多ければ多いほど絵は難しくなります。
初心者の方は、色数を押さえて制作した方がバランスがとりやすいでしょう。また、良質な基本色が揃っていれば混色の可能性も広がります。油彩であればきちんと絵の具を練って色を作る、透明水彩であれば画面上で色を重ねるなど、基本色の組み合わせで充分複雑な色味が作れます。失敗する事を恐れずに、ぜひいろいろな使い方をしてみて下さい!なお、顔料の性質上、アクリル絵の具では上記の名前の絵の具がない場合もあります。購入される際にはご相談下さい。

なお、次回のスポット講座「クロッキー教室」に参加される方、「画材の基礎知識」の最後にご紹介したような描画材や紙の下地作りなど、是非試してみて下さいね!

2009年9月14日月曜日

抽象コース授業紹介


遅くなりましたが、一学期の終わりの抽象コースで行なった特別課題「箱」の作品紹介をします。
普段の授業の中では皆さん個々にご自分の興味を持った素材で、独自のスタイルの絵を追求されていますが、今回は「箱」をテーマにして共通課題として制作してみました。実は、一人何個も作られた方もいらっしゃいました。コンセプト作りから材料集め、制作へと、終始楽しまれた方、苦しんだ方と、いろいろいらっしゃいましたが何とか皆さん形になり、終わってみればそれぞれの作品が作者を良く表すものになりました。みなさん、お疲れさまでした。






2009年9月1日火曜日

授業が再開しました。

夏期休業を終え、昨日から授業再開しています。
とはいえ、授業再開初日にあたる8月31日は「台風関東直撃!」と前日から予報され、ちょうど授業のあった午後の時間帯は、まさしく大荒れの天気模様でした。実際、生徒さんの数も少なく(涙)職員からは「こんな日に来てくれるのは、本気で絵を描きたい人だね!」との声も。授業にいらっしゃって下さった皆さん、無事に帰宅出来ましたでしょうか?
さてさて、いよいよ今日から9月、今年は秋の気配が漂うのが早いですね。台風一過の本日は真夏日となりそうですが、明日からはまた少し過ごしやすくなりそうです。「芸術の秋」ももうすぐ!アトリエにてみなさまのお越しをお待ちしています。
なお、9月開講の「日本画」及び「水彩画」コース、今週5日(土曜日)より開講します。いずれのクラスも、初日に画材やそれぞれの授業の特長等をご説明する予定でおります。参加ご希望の方は是非初回授業に間に合うよう、お申し込みをお願い致します。
今後両講座の授業の様子は、このブログや公式サイト、hac通信等を通してお伝えしていきますのでお楽しみに!

2009年6月29日月曜日

絵画コース課題覚え書き

4月から6月までの課題です。7月も継続していくものもあります。
コース名とタイトルは私(大村)が勝手に付けました。

描き終わるまで静物画コースは
「牛骨のある静物」
「貝のある静物」
「鳥の剥製のある静物」
「鴨の剥製のある静物」
「靴のある静物」
「壁に掛かった静物」
「パジャント」


一日水彩(デッサン・細密)コースは
「鯛の頭」
「鯵の開き」
「焼き秋刀魚」
「紫陽花」
「貝」


あと、個人的に自由に描いている方もいます。
「走る人」
「水槽の中」
「鮮やかな室内風景」
「菖蒲」
「木漏れ日の庭」
「扉」


静物から発想して自由に背景を描いている人もいます。
他にも、テンペラ画、生花、果物を描くなど行いました。
油彩、アクリル画、水彩、鉛筆デッサン、木炭デッサンなど各自選択し、
皆さん自由に描いています。

2009年6月20日土曜日

デッサンコース/土曜午前クラス 授業紹介





今回の土曜クラスのブログは
「画面造りにこだわる」
という課題のご紹介です。
背景、描画材、描写の仕方などなど・・・
描きたい絵のイメージを強くもって
一枚を仕上げていくという内容です。
一見簡単そうですが、なかなか思いどうりにはならないかも。
色々な実験する方あり、見せ方を模索する方あり、
生徒さんそれぞれのスタイルが見えてきていて
とても面白くなっていますね。

2009年6月12日金曜日

デッサンコース 木炭デッサン(組み石膏)




木炭による、組み石膏デッサン(パジャント&アリアス)が終了しました。モチーフの難易度が高いことと、慣れていない素材のため皆さん苦労していましたが、中盤以降は密度も上がり、完成度の高い作品が揃いました。
ご苦労様でした!
来月は植物デッサンと静物デッサンの二課題です。頑張りましょう。

2009年5月13日水曜日

抽象画コース、授業紹介



抽象画コースの授業紹介です。
このところ毎週のように新たに入学される方がいらっしゃって抽象クラスも賑わってきました。
毎回、授業のはじめに行なっている画集を使っての講義、今日のテーマは「フランシス・ベーコンに見る映像メディアからの引用」です。
なんだか難しい題名を付けてしまいましたが、要するに、絵描きはいったいどんなところから取材をしてきて、興味を持ったことをどのように抽出し、消化して自分の絵の中に持ち込むのでしょうか?それをフランシス・ベーコンを一例として画集から見てみましょうということです。フランシス・ベーコンは現代のイギリスの肖像画家です。巨匠エイゼンシュテインの映画「戦艦ポチョムキン」のワンシーンからの引用などが有名ですが、映画、写真、他の絵画等からの具体的な引用例を説明しました。また、今日は6月半ばから行なう予定の「箱」のスタイルで作品作りをする授業の参考として、ジョゼフ・コーネルの日本での展覧会カタログと、オリビア・パーカーという写真家の作品集をご紹介しました。箱作りの構想、皆さん進められているかちょっと不安です。


さて、制作の授業のほうです。



Tさんの色彩の実験です。グレーを作るのに色相の遠い反対色を混ぜて作ることをアドバイスするとそれをいろいろなやり方で実験をされています。今までよりもずっと色彩が複雑になり、深みを持ってきました。
他の皆さんもそれぞれご自分の興味のある素材や表現を追求していますので、また、少しずつご紹介します。

2009年4月25日土曜日

デッサンコース/土曜クラスにぎわってます




デッサンコース/土曜クラスはデッサンを中心にやっていますが
このところは生徒さんたちの伸びも著しく、自分のスタイルを持って
取り組む姿が見えていて、かなりおもしろくなってきています。
新年度スタートという事もあり画面作りにこだわっていくという
課題をやっています。
新人さんもどんどん入会しているので、にぎやかになってきました。
いい春ですね。

2009年4月23日木曜日

次回の絵画教室展の日程が決まりました。



次回の絵画教室展の日程・会場が下記のように決まりましたのでお知らせします。
2010年3月22日(月・祝日)〜3月28日(日)
神奈川県民ホールギャラリー第5室・4室
会場も前回よりもさらに広くなり、会期も一日多くなりました。
描くことと同じくらい発表することは、大変勉強になり、それを切っ掛けに伸びる方が毎年何人もいらっしゃいます。さて、まだ先のことですが、頭の隅に教室展のことを置いて日々の制作、頑張ってください。

絵画コースーテンペラ


木曜日午前。ご要望に応え、テンペラの授業です。全卵テンペラを行いました。

2009年4月17日金曜日

絵画コース開始



まずはデッサンの基礎をレクチャーです。(大村)

2009年4月15日水曜日

デッサンコース4月始まりました。


3月の第2回絵画教室展も無事終了し、通常授業のデッサンに戻りました。
しばらくデッサンから遠ざかっていたため、新鮮な気持ちでデッサンに向き合えている生徒さんや、注意点を忘れてしまっている方など、様々ではありますが、楽しく描いていきましょう。
水曜クラスは新規の生徒さんが3名増えました。

2009年4月7日火曜日

絵画教室展打ち上げパーティー


第2回絵画教室展も無事終了し、4月5日の日曜日には展覧会の打ち上げパーティーが学院のアトリエで開かれました。
テーブルには学院長自らが腕を振るった料理が並び、和気あいあいとした雰囲気の中、皆さんクラスを超えての交流を深めました。
今回の展覧会の作品について他のクラスの講師に意見を聞いている方、これから作る作品のプランを熱っぽく語る方、時間も当初は2時から4時までを予定していましたが、5時過ぎまでみなさん楽しんでおられました。



2009年3月9日月曜日

抽象画コース授業紹介

前回に引き続き北川教室の様子をお伝えします。
今日お見せした画集はロナルド・B・キタイと、アンディー・ウォーホルです。キタイはイギリスのポップアートの代表選手といっても良い存在ですが、アメリカのポップアートのスーパースターであるウォーホルほど日本では有名ではないかもしれません。イギリスとアメリカのポップアートの違いとそれぞれの社会背景、ポップアートの作品のもつ明るい色彩と、軽さや薄さ。グラフィカルな表現スタイル。しかし、表面的な明るさと裏腹に、死や、性的な問題などのタブー視されている暗いテーマを扱っていたりすることなどを解説しながら画集を見ていただきました。
さて、絵画教室展も近づいてきました。北川教室のメンバーも頑張っています。



Oさんは試行錯誤しながら4枚の横に長い連作を描いています。




Tさんは街の様々な形をコラージュするように一枚の絵に集めてくる手法で描いています。


さて、どんな作品になるか、展覧会をお楽しみに。


前回の授業紹介で初めての作品をご紹介したMさんは今回の展覧会は、入学したてで残念ながら参加は出来ませんがその代わりといったら何ですが、作品を紹介させていただきます。


なんと、教室に来て描かれた3枚目の絵です。きれいですね。



そしてこれは4枚目です。非常に大胆ですね。


こんな感じで楽しみながら授業を行っています。皆さん、北川教室(抽象クラス)の授業に参加してみませんか?

2009年2月23日月曜日

抽象画コース授業紹介


まだまだ寒い日が続きます。今回は抽象の北川クラスの授業を紹介します。朝日新聞のマリオンに紹介され、少しずつではありますが見学者もあり、新しく入られた生徒さんもいらっしゃいます。北川クラスでは、毎回画集をお見せして、あまり知られていない画家を紹介して知識を増やしたり、今現在描かれている絵の参考になりそうな画家の作品を解説をしながらお見せするようなことを行っています。今回の授業ではフィリップ・ガストンというアメリカの抽象表現主義の作家の作品紹介と、今回の授業が初参加となるMさんのテキストとして、ベン・ニコルソンというイギリスの作家の画集をアトリエに持ち込みました。ガストンは日本ではあまり一般的には知られていない画家ではないでしょうか。具象表現から抽象表現に移り、さらに具象表現に戻った画家です。ベン・ニコルソンは日本で数年前に展覧会があったこともあり、ご存知の方も多いかもしれません。授業では、Mさんに画集を良く見ていただいて、ニコルソンの色面の形態感や画面の構成感を参考として、こちらで用意した3段階の明るさの紙を切り、コラージュすることによって絵を考えていただきました。次々と作業を進めていく手際の良さで、早速一点出来上がりました。



ご自身で彩色してこられた黄色い紙に、バランス良く紙片を配置することがでました。さらにすぐ2点目が仕上がりました。シンプルですが要素を真ん中に集めた作品になりました。ニコルソンというよりはマティスの切り絵のようです。



Tさんは教室展に向けて、線の実験を繰り返しています。水を含んだ紙に水溶性の色鉛筆などで引かれた線のにじみがなかなかきれいでした。